「Southern-bred Luxury, Interview with Billy Reid」

HUGE 10年10月号

 huge 2010 oct

(冒頭一部紹介)

生まれ育った場所や環境はその後の人生を左右する。どんな生き方を選択しようと、幼い頃の経験というのは染み付いて離れないものだ。今年「GQ/CFDA最優秀新人メンズデザイナー賞」を受賞し、今アメリカで最も注目されているデザイナー、ビリー・リードは、アメリカ南部出身という運命を受け入れ活かすことによって成功を掴んだ人物である。

南部と聞いてアメリカ人が思い描くイメージは、カウボーイハットにピックアップトラック、そしてカントリーミュージック。悪くいってしまうと、田舎者だ。ファッションとは縁遠いその要素を敢えてブランドコンセプトに掲げたビリー。「南部テイストは僕らしさだと思っている。南部訛りもデザインに南部の要素が入ってしまうのも、それが僕なんだから当然だしその事実を誇りに思っているんだ。」ルイジアナ出身でアラバマ在住、ハンティング好きで家族と過ごす時間が一番大切と明言する典型的な南部人。ショップはアラバマ、テキサス、テネシー、サウス・カロライナと、全6店舗中ニューヨーク店以外はすべて南部にある。もちろん、南部のイメージをブランドにそのまま使っているわけではない。クラシック・アメリカンをベースに、小説家ウィリアム・フォークナー的南部ダンディズムと南部人のユニフォームともいえるワークウェアやアウトドアをミックス、そこに20数年過ごしたニューヨークのストリートカジュアルの要素を加える。できあがったのは“サウス・ミックス・イーストビレッジ・クラシック”という独特のスタイルだ。